突然だけど、僕の名前はルードヴィッヒ・ビスマルク。コレクターズの一員さ。
あ、コレクターズっていうのは、僕のご主人さまたちが経営してる会社の名前なんだ。えへん。
僕のご主人さまはディン。
ここで召使みたいな仕事をしている人で、とってもやさしくて美味しいご飯を作ってくれるから好き。
他にアリスって守銭奴と、そしてあのイヤなやつ、アメシスティンっていう僕の目玉を狙っている妖しい男もいるけど、まぁ、ここは住み心地が良いし、ディンとも離れたくないし、しばらくここにいてあげようと思ってる。
僕は可愛くて綺麗だから仕方ないけどね、ふふん。
そしてこの僕を含めて4人がコレクターズなのさ。すごいでしょ。
ところでさっきから玄関のチャイムが鳴ってるんだ。
それなのにみんな寝ちゃってるみたいで、誰も出る様子がないんだから困ったものさ。
僕が出たいのもやまやまなんだけど、そうもいかなくってね。
よし、ディンを起こそう。僕はベッドの上へと駆け上がる。
ディンはイイ匂いがする。
ついつい僕はディンの布団の中に潜り込んでまたウタタネを始めてしまいそうになったけど、またあのチャイムの音に飛び起きる。
ああ、いけないいけない。ディンを起こさなきゃ。
僕「ディン起きて〜〜」
一生懸命僕はディンの体を揺すったけど、ちっとも起きてくれない。
………こうなったらパンチだ。えいっ。
てしてし………
てしてし………
てしてしてしてしてし………
はぁはぁはぁはぁ………。
うぅ………なんて僕は無力なんだ。
ご主人さま一人起こせないなんて………。
よ、よ〜し〜、こうなったら………。
僕は自慢の跳躍力であの棚の上に飛び乗る。
そこからディンのベッドの方へ振り返って………
僕「ごめんねディン。えいっ」