おなごもるもっと OPシナリオ1



おなごもるもっと OPシナリオ1



※このテキストは、現在DL販売サイトで発売中のゲーム「おなごもるもっと」のテキストを抜粋したものです。
※ゲーム用に作ったテキストなので、一部読みにくい部分があることをお許しください。
サークルの作品紹介コーナー



#画面真っ暗

 ………………。
 ………。

 ………………。
 ………。

 ………………………。

 05:03 AM

 ………………。

【声】……っ……っ……。

【声】………はっ………はっ………。

【声】うははははははははははははは!

#文字ぐいーーんと、伸縮

【声―――ってか、奇声】うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、やったやったやったやったやったぞぉぉぉ!ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!

 ………………。
 ………。

 ………………。
 ………。

【奇声】わ、ワシってば天才?うひっ♪うひひひひひっ♪

【奇声】じ、自分の才能こええ!わ、ワシってヤバくない!?ヤバいよね、ワシ!おほほほほほほほほっっ♪

 ………………。
 ………。

 ………………。

【俺】………………。(怒)

#画面切り替え 研究室………っぽいとこ

【俺】クソうるせーーぞ!このボケじじいっっ!

#爺登場?

【じじい】おっ、おほ………。

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【じじい】何じゃ夏雄、起きちまったのか。寝とかんと学園で居眠りしちまうぞ?

【俺】テメェのせいだ、このボケ!

【じじい】うひょひょ♪

【じじい】そ、そんなことより夏雄夏雄夏雄夏雄、我が孫よ!………うひっ♪

【俺】断る。

【じじい】え〜〜〜まだ何もいっとらんのにぃ〜。

【俺】やーだね。どうせロクなことじゃない。

【じじい】そう言わないでさぁ………夏雄ちゃ〜ん♪

 媚び媚び。気色悪い。

【俺】へんっ、死んでも聞くかコンチクショー。

【じじい】………………。

【じじい】ふむ………。

【じじい】………………。

【じじい】で、コレなんじゃがね………。

【じじい】ほれほれ見て見て、こいつぁスゴイよぉ〜〜。

【俺】やほうっ、今までの話ぜんっぶ無視かよっ!?

【じじい】いいから聞けってば、うぷぷ。

【俺】へいへい、仕方ねーなー。

【じじい】今回のはスゴいぞぉ。

【俺】あっそ。

 コイツは俺のじじい。
 土橋博則(74歳)。職業………無職、もとい天才発明家。(自称。他称はありえない)

 定年退職する以前は、ホントに世界に一握りとまで呼ばれた、凄腕のエンジニアだったらしいんだが………。
 けど仕事やめて以来というもの、毎日が道楽の日々だ。
 朝から晩まで陰気臭い研究室に引きこもって、何が楽しいんだか、怪しげなガラクタ(発明?)をこの世に生み出している。

【じじい】じゃんじゃかじゃ〜〜〜ん!右から順番に―――

【じじい】誰にも気づかれずに読書にいそしめる帽子!名づけて【一人朗読太郎】!

【俺】最悪。

【じじい】ぎゃわぁぁ、何そのリアクション!マジへこむよ!

【じじい】………………。

【じじい】で。この帽子には特殊な妨害波を出す装置が埋め込まれててな。

【じじい】この帽子をかぶって、こう、このスイッチを押せばたちまち………。

#じじい、消える

 そういって、ぽちっ―――っとじじいはスイッチを押した。

【俺】………………。

【俺】………………。

【俺】………………。

 あれ?じいさんは?

【俺】………………。

【俺】………………。

 あれ?じいさんが消えた………?
 ………アレ?あれれ?

【俺】………………。

【俺】ま、いっか。やほうっ!うし、さっさと寝ちまえー。

#じいい、現れる

【じじい】ま、待った!待て待て待て待て!

【俺】お。

【じじい】なんじゃよぉ〜〜もうっ。ワシがせっかく実験の成果をだなーー!

 っと、じじいの左手には開かれた文庫本。
 当然中身はエロ小説。

【俺】………………。

【俺】これってさ、俺が試さなきゃ意味なくね?

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【じじい】む。

 ひた。―――っと、ハッとした様子でじじいは顔に手を置いた。

【俺】アホか。

【じじい】うるせーーー!ワシが試せたからいいんじゃよぉ!

【じじい】次いくぞ次ボケぇぇ!

【俺】おほっ。

【じじい】これ見ろコレ!コレは今までに無い、画期的な土壌改良剤よ!がはは!

【じじい】名づけてハニ型土壌改良剤2号!

 はに?
 ………………。

【俺】ふーん………。

 500mlのペットボトルの中に………なんじゃこら………。
 見るからにその………毒々しい。ヤバい緑色の液体が満たされている。

【俺】もしこれ飲んだらどうなるんだ?

【じじい】死ぬ。

【俺】げ、マジ?

【じじい】うん。気をつけてねー。

【俺】………………。

【じじい】で。見ろ見ろ孫!

 そういってじじいはまた、ドコから用意してきたのやらプランターを俺の前に見せつけた。
 プランターに飢えられたその何かの苗は、すっかりと枯れ果てていて、この男の………子供に対する態度をまさに象徴している。

【じじい】じゃーーーん!

【俺】枯れてるぞ。

【じじい】うむ。情けないヤツじゃ。たった一週間水をやらないで、そのまま研究室に置いておいただけじゃというのに、のぉ。

【俺】うはは、結婚できてよかったなアンタ。

【じじい】ほっほっほっ、孫………ソレどういう意味?

【俺】そりゃそのまんま。

【じじい】………………。

【じじい】で!この土壌改良薬をほんのちょっと………ほん〜〜〜のちょっとコイツにかける。

 慎重に………慎重に………じじいは取り出したピペットで少しだけ薬剤を苗にかけた。

【俺】おっほーー!ナニコレ!すげぇ!じじいすげぇ!

 枯れたはずのその苗は、まるで魔法をかけられたかのように瑞々しい緑色を取り戻した。

【じじい】う、うひひ♪ほ、ほめるなよ孫ぉ〜〜♪う、うひひひひひ♪

 そして段々段々………成長していって………。

【俺】おおお!すげぇ、花が咲いた!

【じじい】わははははは!当然よ!花ぐらい咲かせちゃうって、わははは………

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【じじい】あ、アレ………?いや………アレ?花?

【俺】やほうっ、すげぇなーーじいさん。やればできるじゃん。

【じじい】………………。アレ?花?アレ?

【俺】お、まだ成長してるみたいだぜ。

【じじい】え、ウソ、マジ?

 苗はどんどんどんどん生長していって………そして………。

 ………………。

 うねうね。
 うねうね。
 うねうねうねうね。

 得体の知れないちっさい触手を生やした。
 植物なのにめっさ動き回って、めっさ色んな部分に絡みつく。

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【俺】おいこらちょっと待て!うはwwwなんじゃこらぁぁ!

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【じじい】ま、まあ効果はあるようじゃ!つ、次いってみよう!

【俺】お、おいっ、このままにしとくのかよ。さっさと燃やしちま………。

【じじい】あ、枯れた。

【俺】なんだってーーーー!?

 ホントに枯れていた。
 ただしもっさりと成長した草木をパリパリに枯らして、異様な悪臭を立てて。

【じじい】ふむ………まだ課題はあるようだの。

【俺】さっさとその薬液、処分しちまえよ!

【じじい】うほほ、まあよしベターベター。よし次次、コレ見て孫孫〜。

【俺】うはは、やっぱコイツ人の話聞かねぇ!

 ………………。
 ………。

【じじい】最後のコレはすっごいよ〜〜〜世紀の大発明じゃよ〜。

【俺】いっつもそんなこといってるよな。

【じじい】何とこのジュース(の様なもの)を飲むとたちまち!

【じじい】男が女に!女が男に!

【じじい】名づけて女子用公衆トイレが混んでいるとき、男子用トイレに入れるジュースじゃ!

【俺】名前長っ!そっしてアンタ本物のアホっっ!ドアホっ!

【じじい】なんじゃとぉぉ!じゃあコレ飲んでみろいっ!(何故!?)

【俺】やほうっ!おっしゃいいぜ、飲んでやるよ!飲みまくってやる!

 ごきゅごきゅ………。

【俺】………………。

【俺】………………。

【じじい】………………。

【じじい】………………。

【俺】へっ、ほれみろ。失敗だな………あ、アレ?

 アレ?妙に声が甲高い。
 それに何か………胸の辺りと尻がキツいな。

 ………………。
 ………。

 股間が………妙に、スースーと………。

 おそるおそる自分の身体を見下ろす。

【俺】うおおおおおおおおおおおおお!俺マジ女!?

【じじい】で、でへへ。わーい、成功じゃぁ〜わっはっはっはっ。

【じじい】でへへ。

【俺】おいこらじじい!んな………んなエロ目で俺を見るな!

【俺】こ、この………若干事前に埋葬するぞコラっ!

【じじい】お前の母さんも、婆さんも………みんな貧ヌーだったものじゃが………でへへ。

【じじい】孫。お前グッド!グレイト!すんばらしー!

【俺】実の爺に欲情されるなんて、うわあああああ、イヤ過ぎるうううううううう!

【じじい】あ。

【俺様】おっ。

【じじい】………………がっかり。

 薬の効果が切れたみたいだ。
 胸と腰の辺りの窮屈さも消えて………喉の調子も良い。

【俺様】………………。

【俺様】………………。

【俺様】………………。

【俺様】うし、寝る!混乱したら寝るに限る!

【俺様】じゃあなじじい!

【じじい】い、一緒に寝ようか………孫♪

 まだ何本もあるらしく………あのジュースを片手にそんなことをのたまう。

【俺様】………………。

【俺様】じいさん爪伸びてるな。

【じじい】しょ、しょうか?

【俺様】自動爪切り機………。

【じじい】びくうぅぅっっ!

【俺様】どこやったけ………?ここの研究室にあったはずだよな?

【じじい】わ、ワシが悪かったすまん!超すまん!あ、アレだけは………アレだけは勘弁してくれぇぇ!

【俺様】………………。

【俺様】じゃ、寝る寝る。じいさんももう歳なんだから、夜なべしてないでさっさと寝ろよー。

【じじい】ドキドキ………お、おう。ドキドキ………。

【俺様】じゃあな〜〜。

#画面ブラックアウト

 爺さんの研究室を抜けた。
 自室に戻って、すっかり冷たくなってしまった布団に身を挺した。

 ちょっとサムイ。
 あと、ねみぃ………。

 ………………。
 ………。

 ………………。
 ………。

 ………………。
 ………。

 自動爪切り機―――夏雄の祖父の作り出した、数多の失敗作の一つ。
 面倒な爪切り作業を自動で―――という極めて自堕落的な開発コンセプトで開発されたが………。

 調整に難航。
 自動指詰め機として封印される。



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